「世界最高のマインドリーダー」が明かす、人の心を読む技術

このTEDを一言で
「世界最高のマインドリーダー」と呼ばれる男は言う。「私は心を読めません。でも人を読むことはできます」。超能力ではなく、30年かけて人間行動を逆算してきたスキル。そして誰でも学べる。
講演者について
Oz Pearlman(オズ・パールマン)
メンタリスト、マインドリーダー。America’s Got Talentで準優勝。企業イベントやテレビ番組で「心を読む」パフォーマンスを行う。その正体は、30年間の人間行動の研究。
講演のハイライト:3人の観客の心を読む
講演でオズは、観客に「有名人と夕食をするなら誰?生きてる人でも亡くなった人でもいい」と質問し、3人の観客の答えを次々と当てていった。
イアン:「死んだ男のオーラが出てる」
最初の観客イアン。オズは彼を見て言った。
「死んだ男のオーラが出てますね。亡くなった方ですか?」
イアンは驚いた顔で「はい」と答えた。
オズはさらに続ける。「名前の文字数を数えてください」
イアンが困惑した。文字数が多くて数えにくい様子。
「アレキサンダー大王ですね」
イアンは唖然とした。正解だった。
オズが見ていたポイント:
- 亡くなった人を思い浮かべると、体が冷たくなり、表情が少し暗くなる(「血が通っている人」を思い浮かべると逆に温かくなる)
- 名前の文字数を聞かれて困惑=名前が長い、または複雑
- 歴史上の偉人を選ぶタイプの雰囲気
ナジラ:「目が泳いでる。最初に思った人じゃないでしょ」
2人目のナジラ。オズは彼女の目の動きを見て言った。
「目が泳いでますね。最初に思った人から変えようとしてるでしょ。『隣の芝は青い』反応です」
ナジラは笑った。「ボブ・ディランって言おうとしたけど、本当はトレバー・ノアです」
オズが見ていたポイント:
- 目が動く=最初の選択を変えようとしている
- 「本当にこれでいいのかな」という迷いが目に出る
- 目が安定している人は、最初の選択に自信がある
ジェフ・ジョンソン:観客が代わりに当てる
3人目のジェフ・ジョンソン。ここでオズは面白いことをした。
別の観客ブレットを呼び、目を閉じさせた。ジェフに紙に名前を書かせる。
そしてブレットに「答えを言ってください」と促す。
ブレット:「バラク・オバマ」
正解だった。
オズ自身が当てるのではなく、観客に当てさせた。これはオズが「誰でも学べるスキル」と言っている証明だった。
人を読む4つの観察ポイント
講演から抽出した、オズが実際に見ているポイント:
1. 温度反応
- 生きている人を思い浮かべると:体が温かくなる、笑顔になる、明るくなる
- 亡くなった人を思い浮かべると:首筋がゾクッとする、少し冷たくなる、表情が落ち着く
2. 手の位置
- 男性が男性を思い浮かべるとき:手をポケットに入れる傾向がある(男同士のリラックスしたインタラクション)
- 女性は手を前に置くことが多い
3. 目の動き
- 目が動く=「隣の芝は青い」反応。最初に思い浮かべた人から、別の人に変えようとしている
- 目が安定している=最初の選択に自信がある
4. ためらい・混乱
- 質問に対して迷う=答えが複雑、または長い
- すぐ答える=シンプルで自信がある
オズの核心原則:「あなたがどう考えるか知っていれば、何を考えているかわかる」
名前を覚える「Listen, Repeat, Reply」
講演でオズが教えた、誰でも使えるテクニック。
「名前を覚えられない」という人は多い。でも原因は記憶力ではなく、そもそも聞いていないこと。
3ステップで解決する:
Listen(聞く):自己紹介されたとき、次に何を言おうか考えるのをやめる。相手の名前に集中する
Repeat(繰り返す):名前を2回繰り返す。「アシュリーさんですね?アシュリーさん、はじめまして」。これで記憶が定着し、発音の確認もできる
Reply(返す):名前に関連する話をする。「素敵な名前ですね」「珍しいスペルですか?」「同じ名前の友人がいます」。個人的なつながりを作ることで、記憶に残る
成功の最大の要因は「揺るぎない自信」
講演中、観客から質問が出た。「間違えるのが怖くないですか?」
オズの答え:
「ステージでも、人生のあらゆる場面でも、成功の最大の要因は『うまくいく』という揺るぎない信念です。自己成就的なんです」
間違えることを恐れると、間違える。うまくいくと信じると、うまくいく。
明日から使えるアクション
相手の「温度」を観察する。話題によって表情や体の緊張が変わるか見る
目の動きに注目する。迷いがあるときは目が泳ぐ
自己紹介されたら「聞く」ことに集中する。次に何を言うか考えない
相手の名前を2回繰り返す。「〇〇さんですね?〇〇さん、よろしくお願いします」
感想
講演のデモが面白かった。「死んだ男のオーラが出てる」と言ってイアンの答えを当てたり、ナジラの目の動きで「最初に思った人から変えた」と見抜いたり。
「誰でも学べるスキル」と言いつつ、最後に観客のブレットに当てさせたのが説得力あった。オズだけが特別なんじゃなくて、原則を知れば誰でもできる。
名前を覚える3ステップは実用的。確かに、名前を覚えられないのは「聞いてない」から。自己紹介されてる間、自分が何を言うか考えてる。