プロに学ぶ「賢い買い物」3つのルール

プロに学ぶ「賢い買い物」3つのルール
目次

賢い買い物のイメージ

このTEDを一言で

「安く買う」より大事なことが3つある。優先順位を決める、チームの足並みを揃える、本気の代替案を持つ。企業の購買を何十年もやってきたプロが、普段の買い物にも使えるコツを教えてくれる。


講演者について

Wolfgang Schnellbaecher(ヴォルフガング・シュネルベッヒャー)

BCGの調達部門リーダー。自動車メーカーから製薬会社、サーモン養殖場まで、世界中の企業で買い物のプロとして働いてきた人。


3つのポイント

1. 買う前に「何が大事か」を決めておく

ほとんどの人は「賢い買い物=安く買うこと」だと思ってる。でもプロの調達チームは、値引き交渉の前の段階で勝負をつけている。

何をするかというと、まず「自分たちは何を一番優先するのか」をはっきりさせる。会社でいうと、営業は「品質がいいやつ」、経理は「安いやつ」、環境部門は「エコなやつ」——みんな言ってることがバラバラ。これを整理しないまま買いに行くと、結局声のでかい人の意見が通るだけ。

個人の買い物でも同じ。たとえば家電を買うときに、自分が重視するのは価格なのか、デザインなのか、機能なのか。それを決めずに店に行くと、店員のおすすめに流される。

2. 「逆から考える」とアイデアが出る

このトークで一番おもしろかったのが「逆転法」。

ある鉄道会社で「コスト削減のアイデア出して」と言ったら、ベテラン社員が「もう最適化済みなんで」と言って、1時間経ってもホワイトボードが真っ白だった。

そこで質問を変えた。「もしあなたがクビになって、復讐でこの会社のコストを増やすとしたら何をする?」

すると出るわ出るわ。「無駄に長いレール買って切る」「発注わざと遅らせて手数料払う」「在庫を山積みにする」——みんなイキイキとアイデアを出し始めた。

で、それを裏返したら、全部改善ポイントだった。「改善案は?」と聞かれると黙るけど、「ダメにするなら?」と聞かれると出てくる。問いの立て方を変えるだけで、見えるものが変わる

3. 「本気の代替案」を持つ

3つ目は、「他に行くところがある」と本気で言えるかどうかで交渉力が決まるという話。

わかりやすい例が出てきた。ある夫婦がマイホームを探していて、本命の物件Aがあったけど、オーナーが強気でなかなか値段を下げない。そこで奥さんが何をしたかというと、第二候補の物件Bの契約予約を実際に取った。

そしてAのオーナーに「もう来ません。Bで決めます。お世話になりました」と伝えた。そしたら、Aのオーナーがその場で折れた。

ここで大事なのは、Bが「ハッタリ」じゃなくて本当にBで買うつもりだったということ。「一応キープしてます」レベルでは相手に見透かされる。「もうBでいいや」と心から思える選択肢があるかどうかで、交渉の力関係はひっくり返る。

転職でも同じ。今の会社に不満があっても、他に内定がなければ強く出られない。でも本気で受かりたい別の会社の選考が進んでいれば、今の上司との面談でも態度が変わる。


明日から使えるアクション

  • 買い物の前に:「今回は何を一番優先する?」を家族やパートナーと話し合っておく
  • 会議で使う:「逆に、このプロジェクトを失敗させるなら何をしますか?」と聞いてみる
  • 大きな買い物では:本命以外に、本気で選べる代替案を1つ用意しておく

感想

「安く買う=賢い買い物」だと思っていたけど、プロは交渉の前段階で勝負をつけている、というのが一番の発見だった。

特に「逆転法」は仕事でもすぐ使えそう。「改善案を出せ」と言われると黙るけど、「このプロジェクトを失敗させるなら?」と聞かれるとなぜかアイデアが出てくる。問いの立て方ひとつで見えるものが変わるのは面白い。

約10分の講演なので、気になった方はぜひ観てみてください。


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